自己主張より使い手の気持ちに寄りそった美濃焼
日本では古くからいろんな焼き物が作られ、食器や道具として親しまれてきました。時代が進み生活様式がガラッと変わった現代でも、食卓の中心には陶磁器があります。伝統的な焼き物の産地は日本各地にありますが、my noonでは岐阜県南部、東濃地方で作られる「美濃焼」を主に取り扱っています。
パッと目を引く華やかな絵付けが特徴の九谷焼や有田焼、ぽってりとした厚みで素朴な風合いと温もりのある手触りが特徴の益子焼、このように○○焼と言われる焼き物には、その焼き物の代名詞と言われるような特徴があります。
しかし美濃焼には「これぞ美濃焼」と言われる特徴がありません。特徴がないことが特徴とさえ言われるほど…
特徴がないと言われると、個性や魅力がないと言われているような、芸術品としては不名誉なことのような気がしますが、古くから固定された概念にとらわれず新しい技術開発に力をいれ、時代のニーズに応えてきた美濃焼。特徴がないということは、それだけ多くの技法、釉薬、デザインの引き出しを持っているという証です。
もちろん伝統技法にこだわり、その信念を曲げずに貫いてきた焼き物にもその焼き物にしかない魅力がたくさん詰まっています。しかしそれらを貫くには、耐久性や、生産効率、使いやすさ、安価であること、どこかに妥協も必要です。
そのような使い手の需要をできる限り叶えながら、機能的にもデザイン的にもその時代の好みに合わせてきた美濃焼は、現在、食器生産における全国シェアの50%以上を誇るようになりました。
日本の食卓に欠かせない食器となり得たのです。
自己主張を少し抑えて、使い手の気持ちに立った美濃焼。そんな優しさと、どんな要望にも応えてきた職人さんの柔軟さと技術が、美濃焼の使いやすさや食卓での馴染みのよさに表れている気がします。
あれも?これも?美濃焼の技術
本当に振り幅の広い美濃焼ですから、人それぞれ好みはあれど、誰でもきっと一つはお気に入りが見つかることでしょう。またどんなインテリアにも必ず合う食器が見つかります。
これといった特徴がないとは言え、個性がないわけではありません。むしろデザインや釉薬が豊富な分、各シリーズごとに個性を持たせたうつわ作りが叶うのです。
また、時代に合わせてきたと言っても、ベースには古くから受け継がれてきた確かな技術があってこそ。そんな技術が実感できつつ、現代人の感覚にも合致した食器を紹介していきます。
一期一会が生み出す表情「窯変うのふフラットプレート」

「窯変」は器を焼き上げるときに窯(かま)の中の状況によって生じる色の濃淡のことで、予期しない色や文様に変わること。
「うのふ」は「卯の斑」と表記されることもあり、伝統的な優しい色合いの白い釉薬のことですが、それによってところどころに出るまだら模様のことを指すことも。
どちらも偶然の産物であるところに一期一会の良さがありますが、もちろん熟練された職人の技がベースにあってこそ。
器とタイルの両方を手がける窯元さんならではの品質アングルシリーズ

一見、幾何学的な八角形の器ですが、手作りで仕上げられたあたたかみや丸い器にはない独特の美しさがあります。「寿山」という器とタイルの両方を手がけるほかに類を見ない窯元さんで作られており、伝統ある美濃の地ならではの品質。
焼きむらの出る窯の焼成方法をとっていて、焼き上がりの表情はひとつひとつ違っています。少し鉄分を含む土と釉薬の組み合わせで、ニュアンスのある色合いが生まれています。
色にも形にも伝統の技とこだわりのつまったシリーズです。
吸い込まれるような輝きを放つ水晶のようなうつわ「藍晶」

自の製法と唯一無二の釉薬で仕上げられたこのうつわ。ずっと見ていたくなるほど美しいのに、お料理を引き立てることに徹しているようなシンプルさが魅力。本物の品格は謙虚さから生まれるもの。それを体現しているような器です。生産者が試行錯誤を重ね続けた色の集大成とまで言われています。
美濃焼の伝統工芸品指定品目の一つ「織部」の鉢
織部は、深く美しい緑色と独特のゆがみが特徴の美濃焼を代表する様式。茶人・千利休の弟子、古田織部が自分好みのこれまでになかった器を作らせたことが始まりで、織部の名がついたそう。釉薬の色によりいろんな種類があるけれど、織部と言えば緑を思い浮かべる人が一番多いのでは?こちらの鉢もゆがみといい、色といい「THE 織部」という器です。根菜を使った和食が映えるのが緑色の織部と言われており、副菜用の小鉢として持っておきたい食器です。
ガラスにも漆器にも見える「ぎやまん」
歴史ある美濃焼のなかでも「ぎやまん陶」には、日本の美がつまっており、世界的にも有名な食器。ガラスのような透明感、漆器のような渋みとつやを、焼き物の磁器で表現しているところに職人さんの本気を感じます。その上、製造している「カネコ小兵」さんは、普段使いを前提とした商品開発を心がけており、まさに妥協点のない傑作です。my noonでもいろんな種類を取り扱っており、他の食器とのコーディネートも楽しいうつわです。
貫入が芸術的、育てるうつわ「飛白」

「貫入」という言葉を知らずに見るとびっくりしてしまうようなヒビ割れですが、素地が割れてできているヒビではないので、汁漏れなどの心配はありません。器を焼く時にかけられた釉薬と素地の縮み方が異なるため、表面の釉薬がヒビのような状態になって固まるのです。ヒビの入り方まで熟知している職人さんによって、デザインとして作られている器がこの飛白シリーズ。
器の表情であったり、使っていくうちに少しずつ色が入っていく貫入。それらを経年劣化ととらえるのではなく、「うつわを育てる」ととらえるのが、本当のうつわ好きの考え方のようです。ぜひ大事に育ててみませんか?
美濃の伝統工芸士による手法「黒十草」・「三島」で作られた逸品
十草は、縦に線を連ねる縦縞模様のことで、植物のトクサに似ている事からそう呼ばれているそうですが、白地に撥水剤を用いて線を引いた後、黒色の化粧土をかけて白黒のコントラストを出しています。

三島は、李朝を由来とする手法で、印花を押したりやクシ目を入れたその上から白化粧をかけたものをそう呼んでいます。凹凸に化粧土が入り込み、釉薬と融け合うことで濃淡が出て独特な淡い色となっています。

どちらも「鈴木陶苑」さんで一つ一つ丁寧に手を加えられている技法。温かみのある土感を感じられるうつわです。カップには持ちやすいよう取手にポチがつけられていたり、器も全体的に軽く、使いやすさにも配慮された食器です。
美濃焼の技術とヨーロッパのデザインを掛け合わせたスリップウェア「花火」

「スリップウェア」はもともとヨーロッパで誕生した古い時代の器で表面にクリーム状の化粧土(スリップ)をかけ、手作業で模様が描かれています。美濃焼の伝統的な技法を生かしつつも、現代のライフスタイルに合う食器を一つ一つ手作業で制作している「正陶苑」さんの作品「花火」は、どこにもないデザインで日本の食卓を彩ってくれるうつわです。
磁器でありながら土物のように温かみのある花のうつわ「リンカ」

菊の花をモチーフにしたリンカシリーズ。粉引のようなマットな質感で、料理映え・写真映えもよく、食卓にかわいく花を咲かせる食器です。丈夫で電子レンジもOKの磁器でありながら、土物のように穏やかな風合いは「カネコ小兵」さんならではの食器です。
備前焼の技法を取り入れた炭化土ボタモチ切立7.5皿

多様性のうつわ美濃焼×独創的なmy noonのコーディネート
その多様性で長い時代を経てきた美濃焼は、洋食とも相性の良いものが多く、お料理やインテリアを選ぶことなく使える出番の多い食器です。my noonではそこにも重きを置いて商品選びをしているのですが、コーディネートにも多様性や独創性を持たせるよう心がけています。
また美濃焼の使い勝手の良さを生かし、普段使いもできる食器に、少しの工夫で特別感を出せるようなコーディネートもmy noonの目指すところ。
和のうつわに洋食やエスニック料理を盛りつけたり、和洋をうまく組み合わせたコーディネートなど、ここではどこにもないを目指したmy noonらしいコーディネートを紹介します。
むじな菊×ぎやまんの墨ブラック

「むじな菊」とよばれる伝統文様を絵ではなく釉薬の凹凸で表現した上品なうつわ。これに墨ブラックが美しいぎやまんの器を合わせてコーディネートしました。
和食器×和食器で、花瓶やお花にも和のものを使用していますが、白いテーブルクロスとシルバーのカトラリーによって洋風のお料理を乗せるコーディネートに見事マッチしています。
↑ 光に当たって光沢を増すむじな菊の模様
渕錆青銅反型スープ皿×七夕コーデ


和食器×食欲そそるエスニック

藍珠×ブルートーンの洋風コーデ
まるでお刺身をおいしく見せる刺身パックの柄のような「藍珠」。そんな和食器を洋風コーデにうまく馴染ませたコーディネート。テーブルクロスもナフキンにもネイビーを使用し、トーンをおさえたところに、藍珠とその上に重ねた白の切立皿が鮮やかに浮かびあがります。白とゴールドのカトラリーもアクセントに。

絹衣平型プレート×黒十草×バレンタイン

